療養環境としての洗面所について考えてみたい。入院中の患者にとって、洗面は数少ない生活行為の一環であり、主体的に身の回りを清潔にするために与えられた機会である。そうした行為を自らの意思で比較的自由に行えるということは、健康な人たちには当たり前のことであっても、入院患者にとっては切実な願いであろう。
生活行為を大まかに分解すれば、洗面・歯磨き・食事・排便・排尿・着替え・入浴(シャワー)などがある。患者は必ずしもすべての行為を介助なしに行えるわけではないが、身の回りのことを支援してもらいながらも主体的に行うことは回復過程にある患者にとっては喜びであり、日々の「生活の質」を高めることにつながる。さらに洗面所には洗面という機能とともに、整容という役割もあることを考えれば、ゆとりのあるスペースとプライバシーへの配慮が望ましい。
病棟の洗面所の設置場所やそのレイアウトは病院によって様々であるが、従来病室の窓際正面などに洗面台が配置されることが多く、これは動線が短いというメリットがあるが、近くのベッドの患者に対する利用者の気遣いが生まれるなど、一長一短がある。最近新築される建物ではむしろ病室の廊下側を仕切って比較的広い洗面台を配置するケースも多く、さらにその向かい側にトイレを設置してプライバシーに配慮する計画も見られる。
洗面所のスペースを十分に取れないようであれば、明るいデイルームの一部を仕切って、洗面のためのスペースにしても良い。あるいは窓に面した病棟の端部に洗面コーナーを配置することもあると思う。朝起きて初めに行う洗面・整容だからこそ、身体に障害のある患者でも座ってゆっくりと、あるいは隣の人と会話をしながら過ごせる所であってほしい。狭くて陰鬱なスペースでは病棟計画として不十分であり、工夫の余地があると思う。
洗面所はトイレに比べて必ずしも生理的に急を要する所でないと考えれば、病棟における位置は、動線よりも快適な空間を優先することで良いのだが、それは付加価値としてのアメニティである。なぜならば処置後の手洗いとしての機能はスタッフも使用するため、病室廻りに必要だからである。逆に言うならば、機能を優先するために、今日まで洗面設備がベッドに近いことによる患者のプライバシーへの課題があったとも言えるのである。これからは看護と療養のための機能を両立させる病棟計画が実現出来ればよいと思う。
生活行為を大まかに分解すれば、洗面・歯磨き・食事・排便・排尿・着替え・入浴(シャワー)などがある。患者は必ずしもすべての行為を介助なしに行えるわけではないが、身の回りのことを支援してもらいながらも主体的に行うことは回復過程にある患者にとっては喜びであり、日々の「生活の質」を高めることにつながる。さらに洗面所には洗面という機能とともに、整容という役割もあることを考えれば、ゆとりのあるスペースとプライバシーへの配慮が望ましい。
病棟の洗面所の設置場所やそのレイアウトは病院によって様々であるが、従来病室の窓際正面などに洗面台が配置されることが多く、これは動線が短いというメリットがあるが、近くのベッドの患者に対する利用者の気遣いが生まれるなど、一長一短がある。最近新築される建物ではむしろ病室の廊下側を仕切って比較的広い洗面台を配置するケースも多く、さらにその向かい側にトイレを設置してプライバシーに配慮する計画も見られる。
洗面所のスペースを十分に取れないようであれば、明るいデイルームの一部を仕切って、洗面のためのスペースにしても良い。あるいは窓に面した病棟の端部に洗面コーナーを配置することもあると思う。朝起きて初めに行う洗面・整容だからこそ、身体に障害のある患者でも座ってゆっくりと、あるいは隣の人と会話をしながら過ごせる所であってほしい。狭くて陰鬱なスペースでは病棟計画として不十分であり、工夫の余地があると思う。
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